ベトナム人と日本人の国際結婚手続きについて (2)

ベトナム人と日本人の国際結婚手続きについて (1)の投稿に続き、今回はベトナム側から結婚手続きを開始する方法をご紹介いたします。

STEP 1: 日本人側の必要書類を集める
以下の二つの書類が必要です。 日本でも、ベトナムでも収集することができます。

1.婚姻要件具備証明書

 【日本で入手する場合】
  ① 婚姻要件具備証明書を地方法務局、本籍地のある市区町村役場で発行してもらう
    証明書には「独身であって、かつ、婚姻能力を有し、相手方と婚姻することにつき何ら法律的障害がない。」と記載してもらってください。
    通常記載される「日本国の法令の規定により婚姻可能である。」 ではベトナム側の要件を満たしません。
  ② ベトナムの日本大使館/領事館で「公文書上の印章証明書」(婚姻要件具備証明書に押印されている公印が真正なものであることを証明するもの。)の発給を受ける。
  ③ ベトナムにあるベトナム外務省領事局で認証を受ける。
  ④ 地方人民委員会各区事務所でベトナム語への翻訳を取得する。

 【ベトナムで入手する場合】
  ① 婚姻要件具備証明書をベトナムにある日本大使館/領事館で発行してもらう。
    証明書には「独身であって、かつ、婚姻能力を有し、相手方と婚姻することにつき何ら法律的障害がない。」と記載してもらってください。
    通常記載される「日本国の法令の規定により婚姻可能である。」 ではベトナム側の要件を満たしません。
  ② ベトナムにあるベトナム外務省領事局で認証を受ける。
  ③ 地方人民委員会各区事務所でベトナム語への翻訳を取得する。

2.健康診断書
健康診断書には、結婚生活に支障がない旨の記載「精神病・HIV/AIDS・性感染症などではないことを診断されたもの」が必要です。

 【日本で入手する場合】
  ① 公立の総合病院(診療科目として精神科を含む病院)で健康診断書を発行してもらう。
  ② 日本国内の公証人役場で公証を受ける。
  ③ 上記の②の公証人役場が所属する地方法務局で証明書( ② の公証が有効なものであることの証明書)の発給を受ける。
  ④ 日本の外務省又はベトナムにある日本大使館/領事館で「公文書上の印章証明書」(上記の地方法務局発給の証明書に押印されている公印が真正なものであることを証明するもの。)の発給を受ける。
  ⑤ 日本の外務省で公文書上の印章証明書の発給を受けた場合、在日ベトナム大使館で認証を受ける。また、ベトナムにある日本大使館/領事館で公文書上の印章証明書の発給を受けた場合、ベトナムのベトナム外務省領事局で認証を受ける。
  ⑥ 地方人民委員会各区事務所でベトナム語への翻訳を取得する。

 【ベトナムで入手する場合】
  公立の総合病院(診療科目として精神科を含む病院)で健康診断書を発行してもらう。

STEP 2: ベトナム地方人民委員会司法局での婚姻登録手続
ベトナム人の方の本籍がある区・県人民委員会が登録申請窓口となります。お一人でも手続き可能です。

 【日本人の必要書類】
  ① 婚姻要件具備証明書
  ② パスポート
  ③ 健康診断書

 【ベトナム人の必要書類】
  ① 婚姻登録申請書
  ② 出生証明書など
  ③ 健康診断書

STEP 3: 婚姻登録証明書を受け取る
  STEP2の申請受理後、15日以内に婚姻登録証明書が交付されることになっています。
  受取にはお二人で窓口に行かないとなりませんので、ご注意ください。
  婚姻登録証明書が交付されましたらベトナムの結婚手続きは完了となります。

STEP 4: 日本国に対して報告的届出をする

 【日本人の必要書類】
  ① 婚姻届(証人欄は不要)
  ② 戸籍謄本(抄本)
  ③ 身分証明書
  ④ 印鑑(無い場合は拇印可)

 【ベトナム人の必要書類】
  ① 婚姻登録証明書及び同和訳文
  ② 出生証明書またはパスポート及び同和訳文

3か月以内に日本国大使館・領事館または日本の市区町村役場に報告的届出(婚姻届の提出)をしましょう。 これで国際結婚が完了となります。

外国での手続きとなると、日本のように均一のサービスが提供されるとは限らず、窓口によって言っていることが違ったり、賄賂が必要になったり、とにかくイレギュラーなことが発生します。そうした際に本人がいることは何かと臨機応変ができますので、 ベトナムから結婚手続きを開始するのであれば、お二人とも現地在住か、ベトナムに移住予定か、ベトナム人の方が日本に来れない場合にオススメです。