■ ベトナムで外国人を採用するための基本手続き
外国人をベトナムで雇用するための手続きは、以下の5つの主要ステップで構成されます。
① 使用ニーズの報告 → ② 採用 → ③ 労働許可証の申請 → ④ 労働契約の締結 → ⑤ ビザ・一時滞在許可の取得
全体の手続き期間は、書類準備や関係機関との調整状況にもよりますが、おおよそ 1.5〜2か月程度 かかります。
グローバル化が進む中、ベトナム国内の企業や教育機関では国際人材採用の需要が大きく増加しています。
高品質な外国人人材を確保することは、多くの組織にとって競争力を高める重要な要素となっています。
外国人採用手続きを正確に理解することは、法令遵守だけでなく、時間とコストを最適化するうえでも非常に重要です。
書類準備のちょっとしたミスでも、許可の却下や再申請の必要が生じ、時間と費用の無駄につながる可能性があります。
この記事では、2025年最新の法令 に基づく外国人採用の全体プロセスを、条件から完了手続きまで包括的に解説します。必要書類、処理期間、注意点などを具体的に把握できる内容です。
■ 外国人を採用するための条件
ベトナムで合法的に外国人を雇用するためには、企業側 と 労働者側 の双方に一定の条件が課せられています。
1. 企業側の条件
- 法的条件:合法的な営業許可証または設立決定書を有し、税務登録を完了していること。
- 財務能力:外国人従業員への給与支払いや福利厚生を保証できる財務能力を有していること。
外国人労働者の最低給与は、ベトナム人労働者に適用される地域別最低賃金の 1.3倍以上 でなければなりません。 - 人員比率の条件:外国人労働者の人数は企業全体の従業員数の 3%以下 に制限されています。
ただし、従業員が10人未満の企業については、最大1名の外国人労働者の雇用が認められます。
2. 外国人労働者側の条件
外国人労働者がベトナムで働くためには、「2019年労働法」に基づき以下の5つの条件を満たす必要があります:
- 18歳以上であり、完全な民事行為能力を有すること
- ベトナムでの職務に適した専門的知識・経験を有すること
- ベトナム保健省の基準に基づく健康診断書により、健康状態が良好であること
- 犯罪歴がなく、刑事訴追を受けていないこと
- ベトナムの権限当局が発行する労働許可証を所持していること(免除対象を除く)
また、専門職・管理職の場合、関連分野での3年以上の実務経験が必要です。
職務内容に応じて大学以上の学歴または職業技能証明書の提示も求められます。

■ 採用手続きの流れ(5ステップ)
- 使用ニーズの報告(外国人労働者が必要な理由を労働局へ報告)
- 採用・候補者選定(現地・国外からの募集)
- 労働許可証の申請(雇用契約締結前に申請)
- 労働契約の締結(許可証交付後に正式契約)
- ビザおよび一時滞在許可の申請(在留資格確保)
■ 採用後の企業の義務と注意点
外国人を雇用した後も、企業は以下の 3つの主要義務 を果たす必要があります。
1. 定期報告義務
- 四半期報告:翌四半期の初月15日まで
- 年次報告:毎年12月31日まで
- 臨時報告:人事異動や当局の要請がある場合
2. 書類管理・有効期限の追跡
- 労働許可証・ビザ・滞在許可証の有効期限を管理
- 満了の45〜60日前までに延長手続を実施
- 労働者の退職・契約終了時には速やかに当局へ通知
- 関係機関の調査や監査には協力し、正確な情報を提供すること
3. 社会保険・福利厚生の義務
外国人労働者も、ベトナム人労働者と同様に社会保険・医療保険等の法定福利制度への加入が義務付けられています。
これにより、外国人とベトナム人の権利・義務が平等に保たれます。
■ まとめ
外国人採用の手続きは複雑ですが、5つのステップを正しく理解し、スケジュールに沿って確実に進めれば、十分に対応可能です。
採用後も、報告・保険・更新管理などの法的義務を継続的に履行することが求められます。
■ IMSのサポート
行政書士法人IMSは、ベトナムにおける外国人労働許可・ビザ取得手続に豊富な経験を有しています。
外国人雇用に関するご相談・許可申請・在留サポートなど、トータルでのご支援が可能です。
ご不明点がございましたら、お気軽にIMSまでお問い合わせください。