ベトナムの労働許可証の申請は新しい規定でどう変わるのか?

現在、ベトナムは有力な投資家や豊富な資金を持つ企業、また半導体産業・人工知能・デジタル転換などの新産業で働く高度専門人材・技能人材を積極的に呼び込んでいます。そのため、ベトナム政府は国内企業の生産・経営活動のニーズに応えるために、より柔軟な政策を導入し、労働許可証の発給にかかる時間を短縮する必要があると判断されました。

その一環として、2025年8月からベトナム政府は外国人労働者に対する労働許可証発給に関する新しい規定を施行します。以下では、変更点のうち注目すべき5項目をご紹介します。

① 労働許可証を発給する機関の変更

旧制度:労働傷病兵社会省
新制度:省レベル人民委員会

省人民委員会が、労働許可証の発給・再発給・延長・取消し、また労働許可証が不要であることの確認証明の発行権限を持ちます。

② 手続きの簡素化

旧制度:労働許可証の申請(労働傷病兵社会省)と犯罪経歴証明書の申請(公安機関)は別々に行う必要がありました。

新制度:ワンストップ化により、労働傷病兵社会省と犯罪経歴証明書の申請はオンラインで同時申請が可能になります。

国家公共サービスポータル、人民委員会、省公安のシステムが連携し、電子版の労働許可証と犯罪経歴証明書が同時に交付される仕組みになります。

③ 労働許可証の有効期間

旧制度:最長2年の延長が可能で、回数制限なし。
新制度:最長2年、延長は1回限り。

④ 労働許可証の申請条件(専門家要件)

旧制度:全ての専門家に対し、最低3年の職務経験が必要です。
新制度:「学士以上+関連分野で2年以上の経験」、または「学士+1年以上の経験で、科学・技術・イノベーション・国家デジタル転換・優先産業分野働く外国人」であれば申請可能になります。

⑤ 労働許可証免除対象の拡大

新しい規定では免除対象が詳細に規定され、計15ケースが列挙されています。主な例はいかです。

  • 年間90日以内の短期就労者
  • 講師・学生・インターン
  • 出資額3億VND(約1,800万円)以上の出資者
  • 国際条約に基づくボランティア
  • 国際協定実施のための渡航者
  • 外交官の家族 など

さらに、金融・科学・技術・イノベーション・国家デジタル転換・優先産業分野で働く外国人も、関係省庁や省人民委員会の確認に基づき免除対象となります。

今回の新規定により、外国企業がベトナムでの事業拡大・投資を行いやすくなります。

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