外国人によるベトナムでの不動産購入手続き

現在の国際統合の流れの中で、開放的な政策と急速な経済発展により、ベトナムは国際的不動産投資家にとって魅力的な目的地となっています。では、外国人はベトナムで住宅を購入することができるのでしょうか?

本稿では、外国人の不動産所有に関する対象者、条件、所有期間についてご紹介します。

外国人はベトナムで不動産を所有できるのか?

2023年住宅法第17条によると、ベトナムで不動産を所有できる対象者は以下の通りです:

  • 外資系経済組織で、当法律および関連法に基づき、住宅建設プロジェクトを通じて投資を行う者
  • 外資系経済組織、外国企業の支店・駐在員事務所、外国投資ファンド、外国銀行の支店(以下「外国組織」と総称)
  • ベトナムへの入国が認められた外国人個人

したがって、2023年住宅法第17条に定められた外国人の組織・個人は、ベトナムで不動産(集合住宅・戸建住宅のいずれも)を以下の形で所有可能です:

  • プロジェクトによる住宅建設への投資
  • プロジェクト開発業者からの商業住宅の購入・リース購入、贈与・相続による取得(国防・安全保障上の保全区域を除く)
  • 外国人組織・個人からの購入・リース購入(既に合法的に住宅を所有している者)

外国人がベトナムで不動産を所有するための条件

2023年住宅法第18条によると、外国人が住宅を所有するには以下の条件を満たす必要があります:

  • 外資系経済組織の場合:住宅法および不動産取引法に基づくプロジェクトの投資主であること
  • 外国組織の場合:有効な投資証明書または設立・運営許可証を有していること(契約時に有効なもの)
  • 外国人個人の場合:外交・領事特権を受けない者であること

外国人が所有できる不動産の数

政令第95/2024/NĐ-CP第5条第2項に基づき、外国人が所有できる住宅数は以下の通りです:

  • 集合住宅の場合:各棟につき居住用住宅の最大30%まで
     ※複数棟ある場合は、各棟ごとに30%まで
  • 戸建住宅の場合:
     - ある区域に1つの住宅建設プロジェクトのみがある場合:最大250戸まで
     - 同一地域に複数のプロジェクトがある場合でも、全体で最大250戸まで
     - 上限に達している場合、それ以上の購入は不可

所有期間

2023年住宅法第20条第2項によると、所有期間は以下の通りです:

  • 外国人個人:所有権証明書発行日から最長50年間、延長は一度限りで追加50年まで可能(証明書に明記)
  • ベトナム人配偶者がいる場合:ベトナム国民と同等の所有権を有する
  • 在外ベトナム人配偶者がいる場合:在外ベトナム人と同等の所有権を有する
  • 外国組織:投資証明書に記載の期間内で所有(延長分を含む)。証明書発行日から計算

※期限前に贈与・売却することも可能。期限超過後に処分しない場合は国有財産とされる。

外国人による不動産購入手続き

ステップ1:書類準備と申請

提出書類:

  • 土地・住宅・資産の権利証明書申請書
  • 所有権証明書(原本・認証コピー)
  • 資産図面(既に記載済みの場合は不要)
  • 売買契約書(公証済、原本+コピー)
  • 各当事者の身分証明書(パスポートまたは住民登録証)
  • 婚姻証明書または身分証明書(コピー)
  • 税金納付証明(原本)
  • 個人所得税申告書
  • 登録税申告書

ステップ2:書類審査

不動産登録事務所が法的書類を確認。必要に応じて、住宅管理機関へ意見照会を行う。

ステップ3:土地の現況確認

計画図や竣工図に適合していれば地図の修正や台帳更新を行い、証明書発行準備。適合しない場合は住宅管理機関に報告。

ステップ4:証明書発行手続きと納税

2営業日以内に:

  • 地籍情報の更新、税務機関への通知
  • 土地所有権・住宅所有権の証明書の発行準備

納税通知期限:5営業日以内
納税完了後、3営業日以内に証明書を発行(郡人民委員会)

ステップ5:証明書交付

納税完了後、原本書類を回収し、不動産登録事務所から所有者に証明書を交付。

以上が、ベトナムにおける外国人の不動産購入に関する対象者、条件、所有制限、所有期間、ならびに手続きの概要です。ご参考ください。